藤純子の『お控えなすって』のオープニング。ここから女渡世人の劇烈なスタートが切られたわけです。
1966年より大映でスタートした江波杏子の「女賭博師」シリーズに、東映はよほど意識をしていたのでしょう、我が社にも女侠客のドラマを是非とも! 初めから藤純子がヒロイン役として選ばれたようですが、任侠映画では女は常に男の後ろにいるものという観念からなかなか抜けきらず、かなり思いきったスタートだったようです。
当時22歳の藤純子が演じる緋牡丹のお竜こと矢野竜子は、女だてらに仁義を切り、不正には身をもって向かっていき、多人数の野郎相手に見事な戦いぶり。それ以上に菩薩を思わせるほど人情に厚く、その上 清らかな女らしさを見せる。
時代は明治の中期。殺された父の敵を求めて賭け場を流れ歩き、復讐の相手と戦う。
藤純子の原点をお楽しみください。
(新世界東映)