先日亡くなられた中島貞夫監督が 東映版『俺たちに明日はない』を思わせるような迫真の演出とハードアクションで見せる文句無しの娯楽作。
物語は、大金持って疾走する訳あり逃亡人の片桐次郎(渡瀬恒彦)と自分知らずの旅人聖子→松田聖子のセイコと呼ばず「ひじりこ」と呼ぶ(梶芽衣子)が出会い、車を盗んで逃走。そこに次郎に金を奪われた悪のピラニア軍団2人(室田日出男と川谷拓三)と金の亡者 本郷(内田良平)が追っかけてくる!
凄まじいカーチェイス、銃弾の嵐!
そこは、明日なき無頼派な世界だ。
梶芽衣子がさそりシリーズの後で主演した作品であり、悪に走りながらも したたかな女心を見せる芝居が素晴らしい。
本郷の情婦役に橘真紀、次郎の妹役に堀越陽子、といった美しきアミューズ。でも この2人、なんで どの映画でも殴られ強いたげられないといけないのかしら!
渡瀬恒彦のどこか間抜けでお人よしの悪党ぶり。車を盗むも、運転手をひいてしまい、ジャンバーから札束3枚ほど被害者に掴ませて逃走。
中島貞夫監督は、明らかにアメリカンニューシネマを意識して、本作をボニーとクライドのような映画に仕上げた。
しばしばストップモーションがかかるのが「俺たちに明日はない」を思わせる。
さそりシリーズからイメージチェンジを図ったのかも知れないを梶芽衣子。囚人服を脱ぎジーンズ、さまざまなファッションでも魅せてくれる。
主題歌 『ジーンズぶるうす』 作詞:吉田旺 /作曲:井上忠夫 /唄:梶芽衣子
(新世界東映)