福井県と金沢市に起こり関西をも巻き込んだ やくざ抗争を描き、生きるためには なりふり構わず手段を選ばない 北陸人特有の気質を まるで怨念のように描く必見作。
組の若頭・川田登(松方弘樹)が 親分の安浦(西村晃)が競艇場利権を譲渡する約束を破ったために 頭にきて 安浦を吹雪の雪に 頭だけ出させてリンチ。
おびえた安浦が弟分・万谷(ハナ肇)を介して大阪浅田組・金井(千葉真一)に相談した事から 抗争へと発展する暴力団抗争を描く。
これまでの実録ヤクザ映画と大きく違った特色として、この事件は 本作製作時に まだ抗争中であり、手打ちも決着も着いていなかったのである。
本作のヒロインに高橋洋子が出演。「サンダカン八番娼館 望郷」で田中絹代の少女時代、「旅の重さ」の悲しいヒロイン「悪魔の手毬唄」の被害女性など体当りの演技が眩しい高橋が、2017年(全国公開)に主役を演じた 故・佐々部清監督「八重子のハミング」が 未だに鮮烈に心に残る。
(新世界東映)