暴力団追放の機運の中で表向き解散した暴力団が、実際には正業のかたわら社会の暗部に食い込んでいくありさまを、刑期を終えて出所した幹部が新たな争いに巻き込まれていく悲劇を通して描いている。
物語は 関東の大組織の組の解散式から始まる。それにより組織は分散し社会に潜り込んで生息していく。
大きい組織を潰せば末端の組織の地下化が進み余計に社会が荒廃するという ややこしい事情だ。そんな中、かつて殴り込みで服役していた沢木(鶴田浩二)が出所。かつて義理人情に生きたヤクザも、刑期を終えて戻ってきたら任侠のない社会になっている。 兄弟分の島村(渡辺文雄)はコンビナート建設利権を巡り暗躍。強引な地上げを行ったり、組の内部では強制買春が行われる。事態は意外な方角へ。炸裂する鶴田のドス! 後戻りのできない流血が始まる。
(新世界東映)